美容室の開業に必要なものリスト|保健所検査に通る設備・備品を優先度順に解説
こんにちは!奈良西大寺でのんびり美容師やっている孝です。
サロンの設計が決まったら、次は美容室の開業に必要なものを揃えていく段階です。でも「何を、どの順番で買えばいいの?」と迷いますよね。
そこでこの記事では、僕が実際に自分のサロン(PERCHA)を開業したときの経験をもとに、サロン開業に必要なものを優先度順に整理しました。
- ①保健所の検査に通るために必須のもの(これがないと開業できません)
- ②営業するために必要なもの(シャンプー台・給湯・什器・決済など)
- ③あると良いもの・こだわりたいもの(内装・観葉植物・ドリンクなど)
特に①の保健所まわりは、抜けがあると検査に通らず、予定日に営業を開始できません。ここはしっかり押さえていきましょう。
まず大前提:保健所の検査に通らないと営業できない
美容室は、内装やイスを揃えれば開業できるわけではありません。美容師法という法律で、開業前に保健所へ届け出て、施設が基準に適合しているかの確認(立入検査)を受けることが義務づけられています。この検査に通って「確認済証」が交付されて、はじめて営業できます。
だから買い物の優先順位としては、「見た目にこだわる設備」よりも先に「検査に通るために必須のもの」を確実に揃えるのが鉄則です。順番を間違えると、内装は完璧なのに検査で引っかかって開業がずれ込む、なんてことにもなりかねません。
なお、開設届は開業予定日のおおむね1ヶ月前までに提出が必要で、書式や検査手数料、細かい基準は自治体(管轄の保健所)によって異なります。まずは物件が決まった段階で、管轄の保健所に事前相談に行くのが確実です。
① 保健所の検査に通るために必須のもの
ここが今回の記事で一番大事なところ。検査でチェックされる衛生まわりの設備・備品です。ないと一発アウトになりかねないので、漏れなく揃えてください。
消毒設備(消毒器・消毒用のシンク)
美容器具を消毒するための設備です。器具や手指を洗う流し台とは別に、消毒用のシンクを設けるのが基本。エタノールなどの消毒薬品と、フタ付きの消毒用容器(バット)を用意します。
消毒済み・未消毒を区別して保管する容器
消毒が済んだ器具・タオルと、まだ消毒していないものを混ざらないように区別して保管する必要があります。消毒済みのものはフタ付きの清潔な容器に、未消毒のものはそれと分かる別容器に。ハサミやクシがしっかり収まる大きさで、ホコリが入らない扉付きの収納があると安心です。
容器には「消毒済」「未消毒」など用途がわかるように表示しておくと、検査もスムーズに進みます。
汚物箱・毛髪箱(フタ付き)
カットした毛髪を入れる毛髪箱と、汚物箱。どちらもフタ付きのものが必須です。
救急箱(救急薬品・衛生材料)
カットなどでお客様を傷つけてしまう万が一に備えて、外傷の救急処置に必要な薬品と衛生材料を常備しておく必要があります。消毒液・絆創膏・ガーゼなどが入った救急箱をひとつ用意しておきましょう。
十分な数の器具とタオル(布片)
営業をまわせるだけの十分な数の器具と、お客様用の清潔なタオル(布片)を備えておくことも要件です。
※ここで挙げた消毒方法やエタノールの濃度、容器の細かい仕様などは、保健所によって求められる基準が異なります。 検査でつまずかないためにも、必ず管轄の保健所に直接確認してください。これが一番のポイントです。
② 営業するために必要なもの
検査の必須品が揃ったら、次は日々の営業をまわすための設備・備品です。
セット面の鏡とイス、シャンプー台

サロンの主役となる設備です。デザインや広さ、予算に合わせて選びましょう。
そして、シャンプー台とセットで必ず考えたいのが給湯器。これ、ものすごく大事なんです。給湯能力でシャンプー台の稼働率が変わってきます。
一人や少人数でやる小規模サロンで、シャンプー台が1〜2台までなら、市販の給湯器で十分まかなえます。
シャンプー台を2台で始める人に、ひとつおすすめしたいのが、給湯器もシャンプー台1台につき1台ずつ、計2台に分けておくという考え方。これは知り合いの美容室オーナーからもらった助言なのですが、給湯器を1台で2台のシャンプー台をまかなっていると、その給湯器が壊れた瞬間に両方のシャンプー台が使えなくなってしまいます。1台ずつ分けておけば、片方が故障してももう片方で営業を続けられるので、トラブル時のダメージを最小限にできます。安全に営業をまわしたいなら、検討する価値のある備えです。
問題は台数がさらに増えたとき。シャンプー台が3台以上になると、サロン専用の給湯システム(給湯循環装置)を入れないと、シャワーを同時に使ったときに水圧が落ちて、お湯がチョロチョロ…となり営業に差し支えます。
給湯循環装置とは、簡単に言うと、沸かしたお湯をタンクに貯めて、システム内を高い圧力で加圧しておくことで、シャワーを同時使用しても水圧が落ちない装置のこと。通常の給湯器だけだと、最初に冷たい水が出てお湯になるまでの時間と水がロスになり、台数が増えるほどこのロスが積み重なります。

シャンプー台・カットチェア・給湯器は、僕はタカラベルモントをおすすめします。多少値段は高くなりますが、製品のクオリティーと耐久性がよく、結果的にコスパも良くなる。アフターフォローもしっかりしています。予算を抑えたい場合は、ビューティガレージや他メーカー、中古(リユース)品を候補に入れるのもありです。
参考までに、タカラベルモントのサロン専用給湯システム「DANRYU(暖流)」は、シャンプー機器1〜2台向けのコンパクトタイプで56万円台〜、中〜大規模サロン向けになると126万円台〜という価格帯です(2026年時点・税抜のメーカー参考価格)。
この給湯循環装置で気をつけたいのが、①値段が高いことと、②設置スペースを取ることの2点。お湯を貯めるタンクを備えた装置なので、それなりの置き場所が必要になります。「シャンプー台を3台以上にするか」を決める段階で、循環装置の費用と、どこに設置するかの2つを内装業者と早めにすり合わせておくのがおすすめです。逆に、1〜2台の小規模サロンなら市販の給湯器で済むので、ここは大きく変わってくるポイントです。
そしてもう一つ、これは実際にタカラの修理担当の方から聞いた話なのですが、循環装置を入れるなら、オープン時に設置してしまうのが一番ベストとのこと。あとから後付けしようとすると工事が大がかりになり、金額も時間も余計にかかってしまうそうです。「将来3台以上にする可能性があるな」と少しでも思うなら、開業のタイミングで循環装置まで見込んで設計しておくと、後々の工事の手間と出費を防げます。
ワゴンとホットキャビ

美容道具を収納するワゴンは、いろいろなものを収納できるよう数台用意を。ピンキリなのでサロンに合ったものを選べばOKです。
ホットタオルを作るホットキャビは、ヘッドスパをするサロンには必須。サイズや価格に幅があるので、サロンの規模に合わせて選びましょう。
クロス類

カットクロス、カラークロス、シャンプークロス。抗菌などいろいろな種類があります。水回りで使うものは臭いが気になるので、臭いにくい抗菌タイプがおすすめです。
電話・ネット回線

今の時代、サロンでネットは必ず使うので光回線は必要です。電話番号の取得にも時間がかかるので、1ヶ月以上前から動き出してください。
キャッシュレス決済

キャッシュレス化が進んだ今、クレジットカードやQRコード決済に対応する決済端末はほぼ必須です。カード会社の審査があるので、オープンに間に合わせたいなら1ヶ月以上前から申し込みを。特にJCBの審査は時間がかかります。
エアペイや楽天ペイなら、小型の端末で幅広い決済に対応できて便利です。選ぶときのポイントは入金サイクル。個人事業主や小規模サロンは、売上が早く入金されるほど資金繰りが楽になります。
楽天銀行の口座があるなら楽天ペイは相性がよく、条件を満たせば翌日入金も可能。エアペイも、みずほ・三井住友などの主要行なら翌営業日入金で、入金回数も多く振込手数料無料です。自分がメインで使う銀行に合わせて選ぶといいでしょう。(決済サービスの手数料・入金条件は変わることがあるので、申込前に各社公式で最新条件を確認してください。)
鍵付きロッカー

お客様のお荷物の安全を保つために。安心して過ごしてもらうための備えです。
③ あると良いもの・こだわりたいもの
必須ではないけれど、サロンの雰囲気やお客様の快適さを左右する部分です。予算とコンセプトに合わせて。
待合いのソファーとテーブル

保健所の検査項目にも待合スペースは含まれます(配置がチェックされます)。今はイケアやニトリ、通販でコンセプトに合ったものが選べます。ちなみにPERCHAはモノトーンの内装なので、ソファーはあえてモスグリーンにして明るい印象に。結構お気に入りです。
エアコン・スピーカー

サロンは広いのでエアコンは業務用が必要です。最近の機種はエコモードもあるので、電気代の節約のためにもその辺りは気にした方がいいですね。サロンが15坪以下なら家庭用エアコンでも大丈夫だと思います。あればいいものに入れましたが、これからの暑い夏には冷房が絶対必要です。
BGM用のスピーカーはピンキリ。音にこだわるなら良いものを、そうでなければ1万円くらいの壁掛け用からあります。ちなみにPERCHAのアンプは、家にあったBOSEのミニコンポのものを使っています。中古でお安いものもあるので、ここは予算を抑えられるポイントです。
観葉植物・看板

観葉植物は、癒しとサロンのワンポイントカラーに。PERCHAでは育てやすさ重視で、ゴムの木・アルテシマ・ドラセナ・パンダガジュマル・フィカスなど、乾燥に強くあまり水やりのいらないものを選んで手間を省いています。
看板は、道ゆく人に「何のお店か」を伝えるために必要です。
ドリンク類(※提供には注意点あり)

お客様へのドリンク提供はサロンによります。出さないお店もあるので、必要な人だけ用意すればOK。コーヒーは一杯ずつ淹れるタイプがおすすめです(作り置きは時間が経つと本当に美味しくなくなるので…)。
ひとつ注意点。本来、店舗で飲食物を提供するには食品衛生法上の営業許可が関わってきます。市販のペットボトルやティーバッグをそのまま出す程度なら問題になりにくいですが、凝った提供を考えている場合は、念のため保健所に確認しておくと安心です。
サロンで使っているデロンギのコーヒーメーカーについては、最後にブログを貼り付けておきますのでそちらをご覧ください。
小物類の買い忘れに注意
ロッド、カップ、ハケ類などの小物は、ビューティガレージが便利です。ポイント還元もあり、一定額以上で送料無料になります。
こうした小物は種類が多くて買い忘れが起きやすいので、最初にリスト化して書き出しておくのがおすすめ。「あれ買ってなかった!」がなくなります。
カラーなどの薬剤は、ビューティーガレージ、岡本商会、もしくは取引するディーラーにて仕入れてください。
あと雑誌などが読めるiPadもおすすめです!ProかAirかはこちらも比較検討ブログを最後に貼り付けておきますので、見て判断してください。
まとめ:美容室の開業に必要なものを優先度順に、抜けなく揃えよう

サロン開業に必要なものを、優先度順におさらいします。
- ①保健所の検査に必須:消毒設備、消毒済み/未消毒の区分保管容器、汚物箱・毛髪箱、救急箱、十分な器具とタオル
- ②営業に必要:鏡・イス・シャンプー台・給湯(3台以上は給湯循環装置)、ワゴン、ホットキャビ、クロス、電話・ネット、キャッシュレス決済、ロッカー
- ③あると良い:待合ソファー、業務用エアコン、スピーカー、観葉植物、看板、ドリンク
まずは①を確実に。ここを外すと開業日がずれ込みます。細かい基準は保健所ごとに違うので、物件が決まったら早めに事前相談へ。そのうえで②③を予算とコンセプトに合わせて揃えていけば、抜けなく開業準備が進められます。
ここまでくれば、サロンオープンまであと少し。頑張ってください!
なお、開業時のパソコン選びや、会計ソフト・確定申告については別の記事で詳しくまとめています。設備が揃ってきたら、そちらもあわせてどうぞ。
PERCHA 孝




