【美容師の実体験】美容室開業で日本政策金融公庫の融資を受けた話|自己資金で本当に見られること

※この記事は、私(PERCHA孝)が2018年に実際に日本政策金融公庫から融資を受けてサロンを開業した経験をもとに書いています。融資を受けた当時(2018年)と現在では制度が変わっている部分があるため、体験談として参考にしていただき、最新の正確な条件は必ず日本政策金融公庫の公式サイトでご確認ください。この記事では、数字よりも「実際に借りた人間が感じた大事な考え方」をお伝えします。

日本政策金融公庫で融資を受けるには?

独立で一番大きな問題が『融資』。

ここが上手くいかないと、その先に進めません。そして、意外と誰も具体的に教えてくれない部分だと思いますので、私が実際に経験したことを参考までにお話しします。

個人事業主だと、最初から銀行で借りるのは相当ハードルが高く、多くの人はまず日本政策金融公庫(以下、公庫)を検討することになると思います。

公庫は政府系の金融機関で、中小企業や小規模事業者向けに融資をしています。原則として無担保・無保証人で利用できるので、銀行よりはややハードルが低いといえます。とはいえ、簡単に融資してくれるほど甘くはありません。

※かつて創業者向けの代表的な制度だった「新創業融資制度」は、2024年3月末で取扱いが終了し、現在は「新規開業・スタートアップ支援資金」などに引き継がれています。制度の名称や条件は改定されることがあるので、申し込みの際は必ず公庫の公式サイトで最新情報を確認してください。ここでは、制度が変わっても通用する「考え方」を中心にお伝えします。

【最重要】自己資金は「コツコツ貯めてきた姿勢」が見られる

ここが、この記事で一番お伝えしたいことです。

制度の面では、近年、創業融資の自己資金の「要件」は見直され、以前のように「◯分の1以上の自己資金が必須」といった形ではなくなってきています。制度上は自己資金が少なくても申し込み自体はできる方向に変わっています。

ただ——これは実際に融資を受けた私の実感であり、開業サポートの面談対策で教わった話でもあるのですが、「要件がなくなった=自己資金はどうでもいい」では決してないということです。

私が公庫の面談を受ける前、サポートしてくださった方と面談の練習をした際に、こんな趣旨のことを言われた記憶があります。

どれだけ前から準備をしてきたか、どれだけ本気でサロンをオープンしたいのか。それを見るために、コツコツとお金を貯めてきたかどうかが大事なんです」

いきなり通帳に何百万円かがポンと現れるよりも、何年もかけて毎月コツコツ貯めてきたという通帳の履歴のほうが、はるかに評価される。「この人は計画性がある、本気だ」と伝わるからです。

制度上の要件がどうであれ、この「コツコツ貯めてきた姿勢が信頼につながる」というマインドは、今も昔も変わらない本質だと思います。特にこれから独立を目指す20代の方は、ぜひ今日から毎月少しずつでも貯金を始めてください。その積み重ねが、いざというときに効いてきます。

あと借りたから終わりではありません。これからコツコツと毎月返済していかなければなりません。仕事も勉強もコツコツの積み重ねが大切なんです。

事業計画書とサロンの場所が必要。

PERCHAの内装をCGで描いたもの

しっかりとした事業計画書と、サロンの設計図・見積書、そしてサロンの場所が必要になります。

公庫は、事業計画書とサロンの図面・見積・場所から、「どういう事業を展開して、どう利益を生み出すのか」を判断します。利益が見込めない事業に融資は下りません。だからこそ、融資までにしっかりと計画を練り上げておきましょう。

ここは一人で完璧に仕上げるのが難しい部分でもあります(私がどうやって乗り越えたかは、記事の最後でお話しします)。

金利や融資限度額について(※最新は公式で確認を)

金利によって総返済額が変わってくるので、ここは重要なポイントです。

公庫の金利は、その年ごと・条件ごとに定められており、改定されます。そのため、この記事で具体的な数字を書いても、あなたが読む頃には変わっている可能性が高いです。正確な金利は、必ず申し込み時点で公庫の公式サイトか窓口でご確認ください。

ただ、仕組みとして知っておくと良いのは、年齢や属性によって金利が優遇される枠組みがあるということです。たとえば、若い方や女性、シニアの方などが優遇の対象になる制度が用意されていることがあります。私自身、若いうちに開業したことで条件面のメリットを感じました。この「早めに動いた人が有利になりやすい」という傾向は、覚えておいて損はありません。

また、開業後の追加の運転資金や設備投資を融資してもらう場合、条件によって金利が変わります。一般的に、一期目(初めての確定申告が終わってから始まる期)よりも、二期目(確定申告を2回終えた後の期)のほうが、実績ができている分、有利になりやすいといわれています。

融資に必要なものと、面談から入金までの流れ

以前から徐々に準備してきた物をここで使います。
・創業計画書(事業計画書含む)
・美容室を開業するにあたり必要な場所(確保済)
・サロン見積書
これらに、指定された必要書類を加えて提出します。

その後、指定された日時に公庫で面談を受け、そこから審査に入ります。結果は、私の場合は比較的早く出ました。条件がしっかり揃っていれば、それだけスムーズに進みやすいのだと思います。

融資が決まれば、指定した口座に資金が振り込まれます。

元本返済を遅らせるという選択肢

もう一つ、知っておくと役立つのが「元本返済の開始を遅らせる(据置期間を設ける)」という選択肢です。

利息は返済開始日から発生しますが、元本の返済については、一定期間遅らせられる場合があります。

開業したての頃は売上が不安定で、元本と利息の両方を返済するのが負担になりがちです。売上が軌道に乗るまでの間、元本返済を数ヶ月遅らせてキャッシュフローを確保する——というのは、経営を安定させる意味で検討する価値があると思います。(据置期間の条件も改定されることがあるので、詳細は公庫にご確認ください)

まずどこに相談すればいい?公庫の相談窓口

ここまで融資について色々とお話ししてきましたが、「で、結局どこに相談しに行けばいいの?」というのが、次に出てくる疑問だと思います。

実際の流れとしては、開業予定地を管轄する支店が窓口になります。

相談方法は、主に次のような手段が用意されています。

  1. 事業資金相談ダイヤル(電話) まずはここが一番気軽です。フリーダイヤル 0120-154-505 に電話し、音声ガイダンスで「これから創業をお考えの方」の番号を選ぶと、担当につながります。これから創業する方・創業間もない方は、平日19時まで相談できる時間帯が設けられているので、まだ美容室で働きながら準備している方でも、仕事終わりに相談しやすいのがありがたいところです。近くに支店がない場合の相談先としても使えます。
  2. 支店の窓口での対面相談・オンライン相談 開業予定地を管轄する支店で、直接またはオンラインで相談できます。事前予約制で、来店の場合は相談希望日の前営業日まで、オンラインの場合はさらに前もっての申し込みが必要になるので、余裕をもって連絡しましょう。最寄りの支店は、公庫の公式サイトの支店一覧から調べられます。
  3. 創業サポートデスク/ビジネスサポートプラザ 主要都市の支店には創業者向けの相談デスクが設けられており、東京・大阪・名古屋には「ビジネスサポートプラザ」もあります。中小企業診断士などの専門の相談員が対応してくれます。こちらも事前予約が必要です。

私の場合は、奈良の支店で面談を受けました。相談は融資の申し込み前でもできるので、「まだ計画が固まっていないから…」と遠慮せず、早い段階で一度話を聞いてみることを強くおすすめします。何が足りないのかが分かるだけでも、その後の準備がまったく違ってきます。

※窓口の名称・電話番号・受付時間・予約の締切は変更されることがあります。連絡する前に、必ず日本政策金融公庫の公式サイトで最新情報をご確認ください。

まとめ:日本政策金融公庫の融資について

  • 自己資金は、制度上の「要件」より、コツコツ貯めてきた姿勢が信頼につながる。いきなり大金が現れるより、毎月の積み重ねが評価される。
  • 金利は年齢や属性で優遇される枠組みがある。早めに動いた人が有利になりやすい。
  • 事業計画書・図面・見積・場所は必須。利益が見込める計画を練り込む。
  • 元本返済は、据置期間を使って経営計画に合わせて調整できる場合がある。
  • 制度の名称・要件・金利・限度額は改定される。必ず最新情報を公庫公式で確認する。

ざっくりとですが、実際に融資を受けた経験からお伝えしました。制度は変わっても、「本気で準備してきた人が評価される」という根っこは変わらないと思います。

👉【日本政策金融公庫のページへはこちらから】

一人では不安な方へ|私が受けたサロン開業サポートの話

ここまで読んで、「事業計画書や融資なんて、一人ではとても無理そう…」と感じた方も多いと思います。正直、私もそうでした。

私の場合、サロンの設計・施工をお願いしたタカラベルモントさんのサポートを受けられたことが、本当に大きかったです。最初の面談から、サロンのコンセプト決め、場所の選定、設計、そして融資のアドバイスや事業計画書の作成まで——開業までを本当に手厚くサポートしていただきました。

特に助かったのが「融資」と「設計」の部分です。公庫の面談前には、面談の練習にも付き合っていただきました。正直に言って、これを全部一人でやっていたら、こんなに早くオープンにはこぎつけられなかったと思います。

もし「一人では不安」という方は、こうした開業サポートを活用するのも一つの手です。設計・施工はタカラベルモントになりますが、オープンまでかなり手厚く伴走してくれます。(※サポート内容は変わることがあるので、詳細は公式でご確認ください)

こちらもあわせて読みたい:サロンをオープンするにあたって必要なもの

PERCHA 孝

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