【美容室オーナーの実体験】個人事業主の銀行の選び方|7年使って分かった正解
こんにちは!奈良西大寺でのんびり美容師している孝です。
独立するとき、意外と後回しになりがちなのが銀行選びです。
でも、ここを間違えると、開業してから地味にずっと苦労します。僕がそうでした。
サロンを開業して7年、この9月で8年になります。この記事では、開業する人がどの銀行をどう選べばいいかを、僕の失敗と今の状況を交えてまとめます。
先に結論を言います。使い勝手が一番いい銀行を選んでください。そして、ネットバンクが使えない銀行は候補から外していい。 これだけです。
ただし、ひとつだけ落とし穴があります。そこも実体験で説明します。
開業して最初に困ったのは、銀行選びだった

地域貢献で、地元の地銀に屋号口座を作った
開業するとき、僕は地元の地方銀行に屋号付きの口座を作りました。
理由は地域貢献です。サロンの経営理念が「美容を通じて地域社会に貢献する」なので、お金の面でも地元の銀行と付き合いたかった。屋号付きの口座(「Hair Salon PERCHA ◯◯」のような名義)も、当時は地銀なら作れました。
考え方としては、今でも悪くなかったと思っています。
でも当時は、時代が追いついていなかった
問題は、当時の地銀のネットバンクでした。
僕は最初から「ネットバンクで経理を効率化したい」と考えていました。ところが、7年前の地銀のネットバンクは、月々の利用料が思いのほか高かったんです。個人事業主が毎月払い続けるには、割に合わない金額でした。
「それなら、店舗のないネット専業銀行にすればいいのでは?」
そう思って、実際にネット専業銀行の口座も作りました。ところが、これも失敗でした。その理由は後ほど。
正直に言います。その口座、今もそのまま放置しています。 作ったのに、使えないとわかって、そのまま塩漬けです。
結局どうしたか。昔から持っていたけど、ほとんど使っていなかったメガバンクの口座に落ち着きました。メガバンクはネットバンクが無料で使えて、アプリもある。引き落としも問題ない。灯台下暗しでした。
結論:ネットバンクが快適に使える銀行を選ぶ
7年使ってみて、銀行に求めるものはシンプルだとわかりました。
ネットバンクが、無料で、快適に使えること。 これがすべてです。
なぜネットバンクが必須なのか。理由は2つあります。
ひとつは、携帯のアプリで振込がいつでもできること。時間外でも、深夜でも、翌営業日の振込を予約できます。仕入れの支払いのたびに銀行の窓口やATMに行くのは、時間の無駄です。
もうひとつが、これが一番大きいのですが、会計ソフトと連携できること。
僕はマネーフォワードを使っています。ネットバンクを連携しておくと、口座の入出金が自動で取り込まれて、仕訳の手間が大幅に減ります。手入力していたら、それだけで何時間もかかる作業が、ほぼ自動になる。
銀行選びは、経理の時間を減らすための選択なんです。ここを軽く見ると、毎月の事務作業でずっと損をします。
ネット銀行の「引き落とし」に落とし穴がある
ここからが、この記事で一番伝えたいところです。
「ネットバンクが便利なら、店舗のないネット専業銀行が一番いいのでは?」と思いますよね。手数料も安いし、アプリも使いやすい。
でも、待ってください。作る前に確認することがあります。
7年前、僕がネット銀行を断念した理由
僕がネット専業銀行を事業用のメインにできなかった理由は、はっきりしています。引き落とし(口座振替)が、ほとんどできなかったからです。
当時のネット専業銀行は、公共料金も、各種の支払いも、引き落としに対応していないものが多かった。引き落とせなければ、支払いのたびに手動で振込することになります。手数料もかかるし、手間もかかる。毎月これを続けるのは現実的ではありませんでした。
結局、ネットバンクが無料で使えて引き落としも問題ないメガバンクに落ち着いた、というわけです。
口座は作れても、使えるとは限らない。 これが僕の7年前の教訓です。
今も、銀行によって対応がバラバラ
「それは7年前の話でしょ?今は改善されてるのでは?」
半分は正解です。今のネット銀行は、当時よりずっと使えるようになりました。たとえば公庫の融資を受ける場合、GMOあおぞらネット銀行は、ネット銀行として初めて日本政策金融公庫の口座振替に対応しています。
でも、全部が解決したわけではありません。 2026年の今でも、こういう状況です。
- あるネット銀行は、クレジットカードも公共料金も口座振替の取扱いがない
- ある人気のネット銀行は、国税や社会保険料の口座振替に対応していない(社会保険料が引き落とせなかったという事例が報告されています)
つまり、同じ「ネット銀行」でも、何が引き落とせるかは銀行ごとに違うんです。ここを確認せずに選ぶと、僕と同じ失敗をします。
契約前に確認すべき5つの支払い
だから、ネット銀行を事業用に選ぶなら、契約する前にこの5つが引き落とせるかを必ず確認してください。
- 公庫などの融資の返済
- 税金(所得税、住民税、事業税など)
- 社会保険料
- クレジットカード
- 公共料金(電気、ガス、水道)
自分がこれから引き落としたい支払いに対応しているか。それを確認してから口座を作る。この順番を守るだけで、僕のような放置口座を作らずに済みます。
銀行の名前で選ばず、自分の使い方に合うかで選ぶ。 これが一番大事です。
ちなみに、銀行の名前自体も変わることがあります。2026年8月には、住信SBIネット銀行がドコモSMTBネット銀行へ商号を変更しました。名前は変わっても、確認すべきことは同じです。「自分の引き落としたい支払いに対応しているか」。ここだけ見ればいい。
口座は、分けすぎないほうがいい
銀行の記事を読むと、「用途別に口座を分けましょう」とよく書かれています。売上用、経費用、納税用、と。
でも、僕の実感は少し違います。
プライベートと事業用は、必ず分ける
まず、これは鉄則です。プライベートのお金と、事業のお金の口座は、必ず分けてください。
同じ口座にしてしまうと、確定申告のときに地獄を見ます。どこまでが生活費で、どこからが事業の経費なのか、わからなくなる。仕分けに膨大な時間がかかります。
お金の扱いは、最初からキッチリ分ける。ここだけは守ってください。
でも、事業用を複数に分けると経理が地獄
問題はその先です。事業用の口座を、さらに複数に分けるのは、僕はおすすめしません。
理由は、経理が煩雑になるからです。
口座が増えると、お金の出し入れが面倒になります。そして、マネーフォワードへの入力も、口座の数だけ増えます。 せっかく経理を効率化するために銀行を選んだのに、口座を分けすぎて手間が増えては本末転倒です。
「売上用」「経費用」ときれいに分けたくなる気持ちはわかります。でも実際には、1つの事業用口座で回して、帳簿の中で管理するほうがずっとラクです。
分けるのはプライベートと事業用の1回だけ。それで十分です。
唯一、分ける価値があるケース
そうは言っても、口座を分けることに意味がある場面もあります。それは、仕入れ先と同じ銀行に口座を持つケースです。
同じ銀行同士の振込は、手数料が無料か、他行あてよりずっと安くなります。材料の仕入れなど、毎月決まった取引先への振込が多いなら、その取引先と同じ銀行に口座を持っておくと、振込手数料をまるごと節約できます。
毎月のことなので、年間で見ると地味に効いてきます。これは分ける価値があります。
屋号付き口座は必要か
「屋号付きの口座を作るべき?」という疑問もよく聞きます。
屋号付き口座は、「Hair Salon PERCHA ◯◯」のように、屋号が入った名義の口座です。取引先や顧客から見たときの信頼感につながる、というメリットがあります。
正直に言うと、僕の事業用のメイン口座は、今も個人名義です。
理由は、開業当時、メガバンクでは屋号付き口座は法人でないと作れなかったからです。個人事業主は対象外でした。地銀では作れたのですが、メインをメガバンクにした流れで、そのまま個人名義で来ています。
7年やってきて、個人名義で困ったことは、正直ほとんどありません。サロンは対面でお客様から現金やカードでいただく商売なので、振込先の名義を見られる機会がそもそも少ないんです。
ただし、状況は変わっています。今は、ネット銀行が個人事業主の屋号付き口座(屋号+個人名)を積極的に受け入れています。 オンラインで手続きが完結するところも多い。取引先への振込が多い業種や、信頼感を大事にしたいなら、今なら屋号付き口座も作りやすくなっています。
自分の商売のスタイルに合わせて決めればいい、というのが僕の考えです。
銀行選びは、経理をラクにするための選択
ここまでの話を整理します。
銀行を選ぶ基準は、突き詰めるとこの3つです。
- ネットバンクが無料で快適に使えるか
- 引き落としたい支払いに対応しているか(公庫・税金・社保・カード・公共料金)
- 会計ソフトと連携できるか
この3つを満たせば、銀行の名前が何であっても、時代とともに名前が変わっても、迷いません。
そして根っこにある考え方は、財務や経理の記事でも書いてきたことと同じです。経理にかける時間を、できるだけ減らす。 銀行選びも、その一環です。手間を減らせば、その時間を本業に回せます。
まとめ

独立する人に向けて、銀行選びのポイントをまとめます。
選び方の基準
- ネットバンクが無料で快適に使える銀行を選ぶ
- ネットバンクが使えない銀行は候補から外す
- 引き落としたい支払いに対応しているか、契約前に必ず確認する
- 会計ソフトと連携できるか確認する
口座の分け方
- プライベートと事業用は必ず分ける(鉄則)
- 事業用をさらに複数に分けるのは、経理が煩雑になるので不要
- 仕入れ先と同じ銀行にするのは、振込手数料が浮くので有効
僕は7年前、地銀の高い利用料と、ネット専業銀行の引き落とし問題でつまずいて、結局メガバンクに落ち着きました。放置している口座もあります。
でも、そのおかげで基準がはっきりしました。使い勝手が一番いい銀行を、確認してから選ぶ。 これに尽きます。
銀行選びは地味ですが、開業後の毎日に効いてきます。しっかり選んでから取引を始めてください。
お金は大切です。頑張ってください。
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