グレイヘアが似合う人・似合わない人|美容師がすすめない理由と綺麗に見せる条件
こんにちは!奈良西大寺でのんびり美容師やっている孝です。
「そろそろ白髪染めをやめて、グレイヘアにしてみようかな」
サロンでも、雑誌やテレビの影響でこう相談されることが増えました。
ただ、最初に正直なところをお伝えしておきます。僕は、どなたにでもグレイヘアをおすすめしているわけではありません。
グレイヘアがよくない、という意味ではまったくありません。むしろ、条件が合った方のグレイヘアは本当に素敵です。実際に僕のお客様にも、白がとても綺麗で「この方はグレイヘアが正解だな」と思う方がいらっしゃいます。
ただ、その条件が思っているよりも限られているんです。憧れだけで踏み切ってしまうと、想像していた姿とはかなり違う結果になることがあります。
そこでこの記事では、まず似合う人・似合わない人の線引きをはっきりさせて、次にその理由を説明し、最後にそれぞれの人に合った進め方までお話しします。読み終わるころには、ご自分がどちらに進めばいいか決まっているはずです。
グレイヘアが似合う人・似合わない人【結論から】

まずは結論です。ご自身がどちらに当てはまるか、見てみてください。
似合う人
| 条件 | なぜか |
|---|---|
| 白髪の割合が高く、真っ白に近い | 色ムラが出ないので透明感が出る |
| 髪が直毛に近く、ツヤが出やすい | 光が均一に反射して綺麗に見える |
| 毎日ブローやセットができる | グレイヘアはツヤを作らないと成立しない |
| 50〜60代前半で、手入れを続けられる | 手をかけ続けられる期間かどうか |
4つのうち3つ以上当てはまる方は、グレイヘアに向いています。 憧れで終わらせず、ぜひ挑戦してほしいタイプです。この記事の後半でお伝えする「綺麗に見せる3つの条件」を押さえれば、想像している姿にかなり近づけます。
難しい人
| 条件 | なぜか |
|---|---|
| 白髪と黒髪が半々の「まだら」 | 髪の色がムラに見えて艶やかに見えにくい |
| くせ毛・エイジング毛 | うねりとまだらが重なると、ボサボサに見えてしまう |
| 白髪が黄ばみやすい | アジア人に多い。黄ばみが入ると一気に清潔感が落ちる |
| 若々しく見せたい | 白髪があると実年齢より5〜10歳老けて見える可能性がある |
| 白髪がまだ少ない | 染めたほうが綺麗にまとまる段階 |
| 手入れが続かない | 放っておくと、いちばん残念な状態になる |
こちらに多く当てはまった方も、ここで読むのをやめないでください。
「向いていない=あなたが素敵になれない」という話ではまったくありません。グレイヘアという手段が合っていないだけで、若々しく綺麗に見せる方法は他にちゃんとあります。記事の最後にその選択肢をご紹介します。
そして何より、なぜそうなるのかを知っておくと判断が変わります。 ここから順番に説明していきますね。
番外編:人の目を気にしない人
ひとつだけ、上の表に当てはまらない例外があります。
そもそも人にどう見られるかを気にしないという方です。この場合、条件はまるごと無視して大丈夫です。
自分が心地よいと思うスタイルでいることが、結局いちばん素敵ですから。この記事の残りは、あまり気にせず読んでください(笑)
美容師がグレイヘアをすすめない3つの理由
では、なぜあの条件でここまで差が出るのか。
僕が多くの方にグレイヘアをおすすめしていない理由は、大きく3つあります。ここを知っておくと、「自分の場合はどうか」がぐっと判断しやすくなります。
理由① まだら+くせ毛でツヤが消える
女性の髪は30代に入ったころから質が変わってきます。いわゆるエイジング毛です。
年齢とともに、綺麗なストレートだった髪がゆるやかな波状になり、同時に乾燥してパサついてきます。そしてツヤが失われます。
髪はツヤがなくなると、それだけで疲れた印象になります。
ここに白髪のまだらが重なると、どうなるか。
うねりで光が乱反射するうえに、色がムラに見える。この2つが合わさると、艶やかとは正反対の「ボサボサに見える髪」になってしまいます。
全体が真っ白に近いホワイトヘアなら色ムラは出ませんが、黒髪が所々に多数残っている状態は、想像以上に難しいのです。
街で見かけるグレイヘアの方を思い出してみてください。素敵に見える方と、そうでない方の差は、だいたいここにあります。
さらに、日本人を含むアジア人の白髪は、綺麗な白ではなく黄ばんで見えることがあります。ムラのある髪、黄ばんだ髪、そしてエイジング毛。この3つが揃うと、艶やかで綺麗な髪からはかなり遠くなります。
これが「見え方」の問題です。そしてもうひとつ、多くの方がもっと気にされることがあります。
理由② 実年齢より5〜10歳老けて見える
こちらのほうが、実際に相談を受ける中では切実かもしれません。
白髪があるだけで、実年齢よりも5〜10歳は老けて見える可能性があります。逆に言えば、明るめの白髪染めをするだけで、それだけで若々しくなるということです。
朝、鏡を見たときにテンションが上がるかどうか。僕はここがいちばん大事だと思っています。
グレイヘアにして、鏡を見るたびに気持ちが沈むなら、それは自分に合っていないということです。
そして3つ目は、少し先の話になります。今の話ではなく、5年後10年後の話です。
理由③ 60代後半からは手入れが続かない
これはあまり語られませんが、現実的な話です。
50代から60代前半なら、まだ毎日のブローやセットができる方が多いです。でもそれ以上の年代になると、髪に手をかけること自体が難しくなり、だんだん放ったらかしになっていきます。
グレイヘアは、手をかけ続けてはじめて成立するスタイルです。手入れが止まった瞬間に、いちばん残念な見え方になってしまう。だから僕は、長い目で見たときに続けられるかどうかを必ず確認します。
――ここまで読んで、「でも草笛光子さんはあんなに素敵じゃないか」と思われた方もいると思います。
まさに、そこなんです。
芸能人のグレイヘアが素敵に見える本当の理由

草笛光子さん、近藤サトさん。グレイヘアと聞いて思い浮かぶ方々は、本当に素敵です。「こんな歳の取り方ができたらいいな」と、僕自身も思います。
でも、あの姿がそのまま自分に再現できるかというと、話は別です。理由は3つあります。
① 専属のヘアメイクがついている
テレビや雑誌に出るとき、あの方たちの髪はプロが毎日ブローして仕上げています。メイクも、服も、全体をプロが設計しています。
グレイヘアは、ツヤとスタイリングで見え方が決まるスタイルです。それを毎日プロがやってくれるのと、自分で朝の忙しい時間にやるのとでは、結果がまるで違います。
② そもそも髪の素材が違う
白髪の色、髪の太さ、くせの有無、量。これは持って生まれたものです。
真っ白で透明感のある白髪の方もいれば、黄ばみやすい方もいる。直毛の方もいれば、うねりが強い方もいる。同じことをしても、同じようにはなりません。
③ 「人にどう見られるか」を気にしない強さがある
これは僕がずっと感じていることなのですが、雑誌に出てくるグレイヘアの方は、ご自分の個性を非常に強く持った方が多いです。
人に何を言われても気にしない。良い意味でゴーイングマイウェイ。だから、ファッションもヘアスタイルもとても素敵か、あるいはものすごく独特か、そのどちらかなんです。
グレイヘアは、まだまだ「珍しい選択」です。周りから何か言われることもあります。それを受け流せる強さがあるからこそ、あの佇まいが成立している。
「ヘアメイク」「素材」「強さ」。この3つが揃っているのが、雑誌の中のグレイヘアです。憧れるのは素敵なことですが、そこは冷静に見ておいたほうがいいと思います。
では、この3つが揃っていない場合はどうすればいいのか。ここで必ず出てくるのが、ハイライトという方法です。
「ハイライトで白髪がなじむ」は本当?
「ハイライトを入れれば白髪がなじみますよ」
グレイヘアの話になると、必ずと言っていいほどこの提案が出てきます。実際に検索しても、そう書いてある記事がほとんどです。
ただ、ここには目的がまったく違う2種類のハイライトが混ざって語られています。似ているようで、やっていることが違うんです。
① 白髪ボカシのハイライト(染め続ける人向け)
こちらは、白髪染めを続けながら、伸びてきた根元の白髪を目立たなくするためのものです。
ハイライトで明るい筋を入れておくと、根元から出てきた白髪とハイライトが一体に見えて、境界がぼやける。これが狙いです。
実際に効果はあります。ただ、正直に言うと——
- かなりの枚数を入れないと、なじみません。数本入れた程度では、ただ明るい筋が入っているだけになります
- ブリーチした部分は黄ばみます。放置すると、白髪の白とハイライトの黄色が並ぶことになります。カラーシャンプーでの黄ばみケアがセットで必要です
- つまり境界でなじんでいるのは、白と黄色です。本当になじんで見えるかは、正直なところ人によります
「ハイライトを入れれば白髪がなじみます」——嘘とまでは言いません。でも、そう言われているほど魔法のような手段ではない、というのが僕の実感です。
そしてもうひとつ、こちらとよく混同されるのが次のハイライトです。
② グレイヘア移行のホワイトブリーチハイライト(やめる人向け)
同じ「ハイライト」でも、こちらは目的がまったく別です。
これまで白髪染めをしてきた方がグレイヘアに移行する場合、毛先には白髪染めの染料が残っています。その染料を抜いて、根元の白髪と毛先の色を近づけるためにブリーチをします。
ところが、これが難しい。
白髪染めの染料が邪魔をして、思うように明るくならないのです。白髪染めはしっかり色を入れるように作られているので、当然といえば当然です。
そして、ホワイトブリーチそのものが非常に高度な技術です。狙った白さまで持っていくのは、健康な髪でも簡単ではありません。そこに残留染料が加わると、難易度はさらに上がります。
だから僕は、安易にはおすすめしていません
以上の理由で、僕はお客様に「ハイライトを入れれば大丈夫ですよ」とは言わないようにしています。
やらないという意味ではありません。ご希望があればもちろんやりますしデザイン的に入れるのであれば大賛成です。ただ、「これをやれば解決します」とは言い切れないというのが正直なところなので、そのときは黄ばみのケアや必要な枚数まで含めて、必ず一緒にお話ししてから決めていただいています。
――さて、ここまで「難しい理由」ばかり並べてきました。
ここからは逆の話をします。それでもグレイヘアにしたい方が、綺麗に見せるための具体的な方法です。
それでもグレイヘアにしたい人へ|綺麗に見せる3つの条件
条件が合う方、そして「難しくてもやりたい」という方は、ぜひ挑戦してほしいと思っています。
そのときに外せない条件が3つあります。逆に言えば、この3つさえ押さえれば、グレイヘアはぐっと素敵になります。
条件① 黄ばみを消す
グレイヘアが綺麗に見えるかどうかは、白がどれだけ綺麗な白かでほぼ決まります。
黄ばんだ白は、それだけで清潔感が落ちてしまう。だから黄ばみをキャンセルするケアは必須です。
ここで大事なのが、カラーシャンプーの色の選び方です。
| 髪の状態 | 使うもの |
|---|---|
| 白髪が黄色っぽくなっている | 紫シャンプー |
| オレンジみが出ている | ブルーシャンプー |
黄色には紫、オレンジには青。反対の色を入れて打ち消す、という考え方です。
ひとつ知っておいてほしいのが、オレンジは白にはならないということ。ブルーシャンプーでオレンジみを抑えることはできますが、そこから真っ白に持っていくのは別の話です。ここは期待しすぎないほうがいいところです。
使い方はかんたんで、週に2〜3回、いつものシャンプーをカラーシャンプーに変えるだけでOKです。ロイドの紫シャンプーは市販の中では色素がダントツで濃く、嫌な黄ばみをしっかり消してくれます。
白が綺麗になったら、次はツヤです。この2つはセットで考えてください。
条件② ツヤを出す
グレイヘアは、ツヤがないとただ疲れて見えてしまいます。色が明るい分、質感がそのまま印象になるからです。
ここはブローとオイルの二本立てです。ブローは省略できません。そのうえで、仕上げにオイルを使うと持ちが違います。
ナプラのN.(エヌドット)ポリッシュオイルは、天然由来成分で潤いを与えながら、ベタつかない自然なツヤが出るので大人の女性にぴったりです。(※正規販売店からの購入をおすすめします)
色とツヤが整ったら、最後は形です。ここが意外と見落とされます。
条件③ 長さとシルエットで清潔感を作る
グレイヘアは色でごまかせない分、形で決まります。
毛先が傷んで広がっていたり、シルエットがぼやけていると、それだけで一気に「手入れをしていない髪」に見えてしまいます。逆に、輪郭がはっきりしていれば、白髪でも清潔感が出ます。
こまめにカットして、輪郭をはっきりさせること。長さで悩んだら、担当の美容師さんに「グレイヘアにしたい」と最初に伝えてください。それだけで提案が変わります。
――以上が、グレイヘアを綺麗に見せる3つの条件です。
読んでみて「これを毎日続けるのは難しいな」と感じた方もいると思います。その感覚は、とても正しいです。
似合わないと分かった人へ|明るめの白髪染めという選択
ここからは、「自分にはちょっと難しそうだな」と思われた方に向けた話です。
それは残念な結論ではなく、正しい判断です。
そして、白髪染めを続けるという選択も、決して後ろ向きなものではありません。
僕がおすすめしているのは、明るめの白髪染めです。
真っ黒に近い色で塗りつぶすのではなく、明るめのトーンで染めると、白髪が見えなくなるだけでなく、髪全体が軽く見えて若々しい印象になります。根元が伸びてきたときの境目も、暗い色より目立ちにくいです。
「隠す」から「なじませる」へ。最近の白髪カラーは、この方向に変わってきています。
美容室に行くまでの間、顔まわりの白髪だけどうしても気になるときは、ポイントコンシーラーが便利です。マスカラタイプよりサッと塗りやすく、シャンプーで簡単に落ちるので次のカラーに影響しません。美容師としてもありがたいアイテムです(笑)
グレイヘアにするか、明るめの白髪染めでいくか。どちらを選んでも、大事なことは同じです。
まとめ|自分がいちばん素敵に見えるスタイルでいい
長くなったので、まとめます。
- グレイヘアが似合うのは、白が綺麗で、ツヤが出せて、手入れを続けられる人
- 難しいのは、まだら・くせ毛・黄ばみやすい・若々しくいたい人
- 芸能人が素敵なのは、ヘアメイク・素材・強さが揃っているから
- ハイライトは万能ではない。白髪ボカシと移行のブリーチは別物で、どちらも簡単ではない
- 似合わないと思ったら、明るめの白髪染めという良い選択肢がある
結局のところ、いちばん大切なのは、朝鏡を見たときにテンションが上がるかどうかです。
グレイヘアでも、明るめのカラーでも、ご自分のライフスタイルに合っていて、自分が素敵だと思えるスタイルがいちばんいい。僕はそう思っています。
迷ったときは、ぜひ行きつけの美容師さんに相談してみてください。
綺麗なヘアで素敵な毎日を。
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PERCHA 孝





